湖や畑、鯉の養殖池に囲まれた土地に建つ50㎡の建築。
倉庫と野菜や果物などの選別作業をする機能を持ちます。
【夏の暑さに対して】
はじめての敷地見学の際の夏の暑さは凄まじく、この暑さに対し作業場としてどのように対応するのかを考えました。具体的には南向きの出入口の直射日光が当たる部分に2mの軒のある屋外部分を設け、意図的に日陰となる部分をつくり出しています。この日陰の部分により夏場は直射日光を遮り、向かいの養殖池から吹き込む風により夏場であっても作業をすることが可能となります。
【風景の一部となり、風景をきりとる】
周囲の木々や草々、遠くに見える山々の中にあり「風景の一部としての」建築となるよう意識しています。
屋根は一方を折れているように計画することにより遠くに見える山々と重なるよう意図しました。大地から起伏した線は屋根となり、そのまま内部の空間を形成します。半屋外の部分にある開口は畑のある風景をきりとり、毎日目にしている日常をあらためて認識するという体験を生み出します。
内部では北側の鯉の養殖池に幅広の開口を設け、外部の風景と内部への安定した光を確保しています。上部にある荷置きにより天井付近には”陰影”が生まれます。この陰影との対比により外部の風景はより強調されます。内部にあるもう一つの開口からは「地上」から離れた「空」のみが映し出されます。









設計:Den yamada
施工:(有)田村設備
撮影:Den yamada