床で用いられるコンクリートの表現を5種記載します。「土間コンクリート」と呼ばれ、コンクリートを流し込み、硬化する前の仕上げを変えることで異なった表現とすることができます。
金鏝(かなごて)仕上げ
もっともよく用いられる仕上げのひとつです。土間に打設したコンクリートを金鏝(かなごて)により仕上げるもの。表面が平滑に仕上がるので掃除などが行いやすくなります。外部で用いるときは、土間に1/200から1/100程度のわずかな勾配をつけると水が流れていきます。ガレージの中などでもよく用いられます。夏場で気温が高くコンクリートが早く硬化する時期は1人の職方で50㎡までの面積を施工の目安としています。




刷毛引き(はけびき)仕上げ
土間に打設したコンクリートを刷毛(はけ)を用いて仕上げる方法。刷毛により表面に線状の凹凸が形成され、滑りにくくなります。住宅のアプローチなど人が歩行する箇所で用いられます。刷毛を引く方向は人の進行方向と垂直になるようにする場合が多いです。金鏝仕上げと同様によく用いる方法で、打設から仕上がりまで一日で完了します。


洗い出し仕上げ
土間に打設したコンクリートを硬化しないうちに表面のセメントを水で洗い流し、ブラシをかけることによりコンクリート中の骨材を表す仕上げ。中の骨材の色味が表面に表れます。下記写真は一日のうちに打設から完了までを行いましたが、硬化遅延剤を用いて翌日に仕上げを行うこともできるようです。




研ぎ出し仕上げ・テラゾー仕上げ
こちらはまだ施工の経験がありませんが、打設後硬化したコンクリートの表面をサンダーにより研磨し、中の骨材の色味を出しながら表面を平滑にする方法です。昔の小学校や保育園の手洗い場などでも用いられている技法です。表面に凹凸がないため掃除などのメンテナンスが行いやすいようです。打設から仕上がりまでの工程に時間と手間がかかりますが試してみたいものです。
こたたき仕上げ
コンクリートの壁で用いられる「こたたき仕上げ」を床で採用したもの。硬化したコンクリートの表面を機械で粗くすることにより表面に凹凸をつけ、中の骨材が表れるようになります。
(2020年9月1日記/山田)